かとう家の小ばなし

移住、しごと、森のようちえん、田舎暮らし、アウトドア

世代を超えて伝えるということ、だからこそ地方で子育てしたいと思う。

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10月22日、秋祭りを見に愛媛県西予市内の明浜地区と自分たちが暮らす宇和地区の中心部に行ってきました!

 

お祭には牛鬼が登場するのですが、こういったお祭は南予地区に特徴的だそうで、大規模なお祭りとしては、宇和島の牛鬼祭が有名です。

 

明浜地区のお祭り

昨年も明浜地区のお祭りを見に行ったのですが、今回は前日の夜から行われる神社での行事を見るところからスタートしました。

 

お囃子をバックに踊る人と、それを楽しく見守る人。

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お面をかぶった人が釣り竿をもちながら舞っていて、竿の先には魚が食いついています。

そしてその舞は魚を釣っている状況を表現しているようす。

 

魚が引いて、魚と格闘している様子を表現する時には、回りから「いぇー」と「うぉー」の中間の声が盛り上げて、熱気に包まれている様子が印象的でした。

厳かというよりは、笑い声が響いてなごやかな雰囲気。時には小さな子供が抱っこされて、お祓いの紙を振って歩く場面も。

 

地域に愛されている行事なんだなあ、ということが伝わってきました。

 

翌朝の鹿踊り。f:id:chibo1217:20161023051456j:image

お隣の宇和島から伝わったといわれる鹿踊りの、もともとのルーツは仙台なのだそう。

宇和島では八鹿踊りですが、周辺部に伝えられる過程で五鹿踊りになったようです。

(↑上の写真では5人(鹿)で踊っている。)

 

この後、子どもたちが主役の踊りや太鼓などもりだくさん。

3つのお神輿を見送り、ついに牛鬼が登場して大暴れ!

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祭り会場をかけ声とともにぐるぐる周り、たくさんの人がきゃーと逃げ回ります。

雨を含んで例年よりも重くなった牛鬼を、ふんどし姿で担ぐ様子に胸が熱くなりました。かっこいい〜。

 

この後は一旦休憩時間に入り、みなさん一旦おうちに戻ります。

お祭りの間、家の前に提灯を飾っているおうちをあちこちに見ることができます。

提灯があるおうちは訪問客にごはんをふるまうという風習があるようで、我々も友人宅で手づくりピザやケーキなどを頂きました。

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ちなみに友人宅は提灯ではなく、かわいい看板をおうちの前に出していました。

写真撮り忘れたけど・・・。 

 

宇和地区のお祭り

その後大急ぎで、今度は宇和へ。

鹿踊りやお練りは中止で残念でしたが、こちらもとてもおもしろかった。

四つ太鼓。真ん中で小さな子供たちが4人、太鼓をたたいています。

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 ダンナはこちらの担ぎ手として参加していました~。

 

牛鬼。明浜とは違い、宇和地区では黒のつなぎで担ぐようです。

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 こちらは舟。お化粧をして着物を着た子ども、大人が乗っていています。

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家々の前に停まり、歌謡曲に合わせて踊る様子が街の雰囲気にとてもあっていて、楽しませてもらいました~。

 

地域社会にしか教えられないことがある

こうしてお祭りをめいいっぱい楽しんだのですが、改めて地方で子育てすることの良さを再認識ました。

 

以前こちらの記事でも書いたのですが、ものごとを考えるときのスケールは、とても大切だと考えています。

核家族化が進む都市部では、親の世代までの生き方、働き方しか見ることができない現状があります。

一方、地方では自分の2、3世代上までがいることが珍しくない。

さらにこういったお祭りは、もっと長い世代を超えて受け継がれてきた文化なんですよね。

 

こうした、大きなサイクルの中で紡がれていくものを見ることができる環境は、お金を払えば手に入れることができるというものではありません。

 

人の暮らしを長いスパンで俯瞰的に見る視点が養われていると、自分の人生を考える時のスパンも変わってくるし、対象によってそのスパンを伸縮させて物事を考えることができる。娘にはそういった生きる力を身につけてほしいなあと考えています。

(こういうスパンで考えていたら、子育てについてももっと寛大になれるのかな・・・汗)

 

もしかしたら、地域社会という言葉はしがらみと表裏一体なのかもしれません。

そうだとしても、そこでしか伝えられないものがあるから、私たちもその一員としてできることをしっかりやっていかないとなあ、と思ったのでした。

 

朝5時に起床し、お祭りをはしごした私たち。

この日はくたくたに疲れて温泉へ向かい、20時半には床についたのでした~。

来年も楽しみです!