【@西予】「せいよたべものマップをつくろう!」講座(第1回目)に参加してきた!
先日、旦那から紹介されて申し込んだ面白そうな講座、
「せいよたべものマップをつくろう!」(全5回)の第1回目に
参加してきました。
平日開催のため、旦那が午後休をとってくれ娘を旦那に託して参加(感謝)。
この講座は、西予市の地域雇用創造推進協議会が、
雇用対策の一環として、主に求職者をターゲットに実施しているもの。
マップをつくるためにプロのデザイナーと一緒に生産者さんの取材に行き、
情報収集のノウハウやコミュニケーションの取り方を学ぶ講座です。
私は、市内について・生産者さんについてもっと知りたかったのと、
集めた情報をもとにどのようにアウトプットしていくのか を知りたくて
参加しました。
まずは、歴史的景観が残る卯之町にある「よんでん和み館」でオリエンテーション。
こちらの施設は、快適な住環境を実現しつつ、歴史ある古民家を後世に残していく
ことをねらいに約築140年の古民家をリフォームした電化PR施設で、
歴史的景観が保存されている卯之町地区にあります。
マップ完成の具体的なイメージをみんなで共有して、自己紹介をすませ、いざ取材へ!
明芳園
まず、1件目は宇和町明間にある明芳園さん。
実は、旦那が気になっていると言っていたお茶屋さんです。
最初に、よく冷えた緑茶を頂きました。
夏は主に麦茶を飲むんですが、緑茶も後味すっきりで
とてもおいしい。
実は、明芳園さんのお茶は無農薬生産なんです。
お茶の無農薬ってめちゃめちゃ難しそうなイメージがあるのですが・・・。
そもそもは野村ダムが出来るときに水田が水没することになり、
今の土地でお茶栽培をスタート。現在の旦那さんが初代で、若い頃静岡へお茶栽培の
勉強に行ったそうです。
無農薬で2haのお茶を栽培しているのは、そもそも自分が農薬まきたくないから。
(ビールも美味しくないらしい)
販路も農協経由ではなく、ご自分で開拓されてきたそうです。
晴れの日は農作業、雨の日は営業。
現在は病院・学校・葬儀用・生協・道の駅等に販路を開拓し、
お茶を販売されています。
お茶を無農薬で生産する際、大体5年くらいすると安定するんだそう。
ある朝、お茶畑に行ってみると益虫であるクモの巣がばーっとはられていて
(害虫からお茶を守ってくれる)、5年くらいするとそのような光景が
見られるようになったとご主人。
その朝の光景が見えるようなお話のされ方で、聞き入ってしまいます。
販売されているお茶のパッケージは、既成のものを使われていて、
特に無農薬等書かれていないんです。
もったいない!!!!(一同)
無農薬と商品に記載するには、認可が必要でこの手続きが本当に
大変なんだそうです。(←この辺、少し勉強しないと・・・)
いくつもの書類を提出しなければいけない厳正な制度は、我々消費者にとっては
安全・安心を感じられるけど、法人化されていない生産者にとっては特に負担が
大きいもの。良さを伝えたいという気持ちはあれど、書類に労力を費やすなら
いいものをつくりたいという気持ちが伝わってきました。
でもせっかくいい商品をつくられているので、その良さをもっと知ってもらいたいな。
店内には、抹茶挽くための機械もありました。
こちらの抹茶は、玄米茶に入れて抹茶入り玄米茶として販売しているそうです。
お土産まで頂いちゃいました。
お話を伺っていて、自分の頭で考え、自分の軸とは明らかに違っておかしい
と思うことには決して妥協せず、いいもの・納得のいくものをつくろうという
姿勢がとても勉強になりました。
私たちの生活はこうした生産者さんに支えられているということを
決して忘れてはいけないなということを再認識しました。
取材1件目でかなりの衝撃を受けたのですが、続いて2件目に向かいます。
男米プロジェクト
次は、愛媛県産みかんジュースの搾汁後の搾りかすを肥料として使用し、
循環型農業に取り組んでいる男米プロジェクトチームさんの田んぼへ。
こちらは有機栽培でつくられている田んぼ。
家の近所で見る田んぼとは明らかに違います。
6ha中、2haをと有機でされているそう。
田んぼにぎっしり生えているのは、水田雑草のコナギ。
春先の生えはじめのコナギは天ぷらにして、美味しく食べられるそう。
コナギは生えっぱなしにしてもお米に影響はなないのでそのままですが、
ヒエなどのイネ科雑草は除草されています。
除草が一番大変なので、除草時期が集中しないよう、
早稲などお米の種類を考えて栽培されていました。
わが家の周りの田んぼの稲はもう穂がでているのですが、こちらの品種は
遅めのものでまだ穂が出ていませんでした。
お話してくださったのは、京都出身の中野さん。
愛媛大学農学部に進学し(先輩)、EM菌の会社に勤務された後、
社会変化に対するいろいろな危機感から、やっぱり農業がやりたい!とのことで
おじいさんの暮らす宇和で農業をはじめられたそうです。
お子さんを3人育てながら、新しい道へ舵をきられたのは
おそらく今の私と同じくらいの年・・・。
自然体で農業に取り組まれているのが、印象的でした。
今後、有機栽培の田んぼを増やしていきたいけど、
除草作業にかかる時間や労力、技術的なことも含めて挑戦中とのこと。
今年の新米を是非頂いてみたいと思います!
豆道楽
最後はお豆腐屋さん。
大豆の栽培から豆腐などの商品の生産・販売まで一貫して行われています。
社長の渡邉さんからお話を伺いました。
渡邉さんが豆腐をつくって行こうと決めたのは、38歳の頃。
それまでは、パンか豆腐で迷っていたそうなのですが、日本人やしな・・・
ということで豆腐に決めたんだそう。そして、その後日本全国のここぞという
お豆腐屋さんを飛び込みでたずねる旅へ。
20軒くらい回っても何かが違いそろそろ回りたいお店もなくなってきた頃、
最後に出会った長野のお豆腐やさんでこれだ!って思うもに出会えたんよ。
何が他の豆腐と違ったのかと尋ねると、子どもの時に食べた豆腐の味だったそう。
私も知らなかったのですが、日本でつくられている豆腐の多くは
輸入大豆を使用しているため、気づかないうちに遺伝子組み換え大豆を食べている
可能性も大いにあります。(この辺、勉強して後日まとめたいと思います。)
農産加工をやっていこうと決めたのは、高山の朝市がきかっけだったそう。
特に呼び込みもしないのに漬け物などの商品がどんどん売れていく様子や、
自分でつくったものを加工して売ることに誇りをもち、楽しんでいる様子の
農家さんを見て、これだ!と思ったそうです。
渡邉さんのお話はどれも本質をついていてとても面白く、
取材後はまるで1本の映画を見終わったような感じだよねと参加者
で話していたのですが、本当にエキサイティングで頭をハンマーで何回か
殴られたような衝撃がありました。
・ルーツ(原点)を知って育てているか?
ーなぜ、コシヒカリというの?と小学生に聞かれて分からなかった。
作物を育てることは誰にでもできる。
作物のばかになろう。(それくらい本気でやろう)
・いいものをつくるには、まずいい原材料をつくろう。
ー豆腐にお水は関係ない。まずは、美味しい大豆をつくることが大事。
・今つくっている原材料で何をつくるかではなく、どんな加工品をつくるかを決めて
から何の種を栽培するかを考えて差別化する。(今は逆になっている)
ロゴに秘められたストーリーも面白い。
こちらは手塚治虫さんのお弟子さんだった会社の方が作成されたものだそう。
新城生産組合“豆道楽”|せいよ徒然日記|愛媛県西予市の観光物産サイト|標高差1,400mの記憶さんより
・豆道楽という商標は別の会社でとられていたので、てんとう虫を上にのせて
読めないようにさせることで、パスした。
・てんとう虫は大豆の益虫。
・豆道楽のしんにょう(部首)の部分はシルクロードを表し、
楽しいの上の「ノ」の部分は日本。大豆はシルクロードを渡り
日本にも渡ってきたというストーリー。
・後ろの緑の部分は、アジア(大豆の原産地)大陸で、シベリア(こちらも原産地と言われている)も入っている。
最後に、つくられているきなこを紹介頂いたのですが、こちらの香り
濃厚で抜群にいい香りだったんです。(女子全員うっとり・・・)
当初は売れなかったそうなのですが、
「きなこの命って香ですよね。匂いが伝わる袋ってないですかね?」
という社員さんの声に気づきを得て、匂いが伝わる袋を探し出して
パッケージに採用したそうです。このきな粉が売り場に並ぶときな粉の
濃厚な匂いが香るそう。
生産が追いついていないとのことで、ゲットできませんでしたが出直して
いろいろな商品を頂いてみたいと思います。
1日に3軒の生産者さんを訪問しましたが、みなさん仕事に誇りをもち、
本物をつくられていました。発せられる言葉は全て生産活動に裏付けられ、
その中から湧き出てくる言葉ばかりで圧倒され、感動しました。
西予にくるまで全く知らなかった情報であり、知りたくてもネットには
のっていないストーリー。この町のポテンシャルに圧倒された1日でした。
第2回目も楽しみです!