かとう家の小ばなし

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パートナーと子育てと距離感

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子育てするようになってからは特に、ラジオやpodcastをよく聞くようになりました。

中でもジブリプロデューサー鈴木敏夫さんの、「ジブリ汗まみれ」が特に好きでして。

 

最近話題になっていた映画「人生フルーツ」でナレーションを担当していた、樹木希林さんとの対談がとってもおもしろかったんです。

 

2017/06/19 「人生フルーツ」ナレーション担当、女優の樹木希林さんとの対談
ゲスト:樹木希林さん、伏原健之さん

 

今日は、この対談の中で話されていた「距離感」について、書いてみたいと思います。

 

向き合わずに同じ方向を見る

鈴木さん曰く、ジブリの監督である宮崎駿さんと高畑勲さんは、かなり長い付き合いがあるのにも関わらず、丁寧語でやりとりをしているのだそうです。

はじめはその様子を不思議に思ったんだけど、これがあの2人が長く一緒にやってこれた秘訣かなあと思って。

だから、宮崎さんと約40年一緒に仕事をしてきた中で、自分(鈴木さん)と宮崎さんの間に「いい距離をどうやってつくるのか?」をテーマにやってきたというお話がとても印象的でした。

 

また、鈴木さんのもとには、若い人が多くやってくるらしいのですが、恋愛相談になった時に多くの場合、女性の方が「彼が向き合ってくれないんです!」とこぼすのだそう。

 

その後のくだりがおもしろかったので、引用してみます。

 

鈴木さん:「何で向き合わなきゃいけないの?向き合ったらお互いのいいところは見えないよ。」って、僕は言ったんですよ。(中略)「お互い向き合ったらね、見えるのは悪いとこだけだって。」

希林さん:「もちろん、向き合ったら悪いところも見えてくるんですけど、むかついてくるんですよね・・・。」

(中略)

鈴木さん:「お互い欠陥ばっかり見ちゃってね、そんなの絶対よくないから、二人で同じものを見たらいいんじゃないかってね。」

 

向き合ってお互いを見るのではなく、同じものや方向を見ること、つまりお互いを対象とするのではなくて、対象を自分たちの外においてコミュニケーションをとることって、とても大事なんだなあ、深いなあと感じました。

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このことがずっと頭の中にあったのですが、ある時、あっこれって子育ても同じかもと思ったんです。

 

同じものを見て楽しむ

子育てをしていても、ずーっと向き合っているとしんどくなってしまいます。

もちろん、マナーを教えたりなど、絶対に向き合わないといけないポイントはあるけれど、ずっと向き合っていくのはなかなか難しい。

だったら、自分も子どもも楽しいと思えるものを一緒に見たり体験したりしながら、過ごしていける方が子どもだけでなく、母である自分自身も楽しい。

 

だけど私は自分の周りに、親子で楽しめる場をあまり見つけることができなかった。

(誤解を恐れずに言えば、子どもが楽しんでいる様子を見て嬉しい・楽しいことはあっても、私自身が楽しめるかはまた別だった。)

 

そのことが、親子参加の森のようちえんの活動をしている私の動機の1つになっています。これからどうなるかは分からないけれど、今は参加してもらえる子どもだけではなく、親御さんも一緒に楽しんでもらえる場になればいいなあと試行錯誤しているところです。

 

同じものや方向を見て楽しむこと。

そのうち背中合わせで別々の方を見て楽しむようになるのかもしれないけれど、楽しかったことを共有できるのなら、それもいいなぁ。

 

そんなことを考える今日この頃です。

 

鈴木さんと樹木希林さんのトーク、示唆に富んでいてめちゃめちゃおもしろいので、ぜひぜひ聞いてみてください!