かとう家の小ばなし

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ニーズとやりたいことのバランス

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ヨメです。

自分たちが取り組んでいきたい活動として、今年の5月から平日と休日の月2回のペースで野山のおさんぽ会を開催しています。

 

野山のおさんぽ会は、森のようちえんの考え方をベースにしており、次の2つのことを大切に運営しています。

①自然としっかりふれあう

②子どもの自主性を尊重し、見守る保育を行う

 

先月はこの活動について市報にも取り上げていただいたのですが、まだまだ認知度もあまり高くないため、引き続きいろんなことにチャレンジしていかないとなあと考えているところです。

子どもの教育に関して、「自然と触れ合うことは大事!」ということには賛同が得やすいと思います。

 

では、なぜ自然と触れ合うことが必要なのか?、そして特に、なぜ見守ることが大事なのか?という点については、まだまだ理解されているとはいえないんだろうなあと感じています。

 

なぜ自然の中で遊ぶことが大事なのか

なぜ自然の中での遊びが大事なのか一言でいうと、子どもたちの成長に望ましい色々な効果が期待されるからです。例えば、以下のようなものが挙げられます。

 

丈夫でバランスのとれた体が育まれる

舗装された平坦な地面の上ではなく、起伏のある場所で活動することでバランス感覚や運動能力が向上し、広い空間でのびのび活動することで身体が鍛えられます。

 

自分で考えて行動するようになる

自然は一様ではなく、多様な環境から成り立っています。

きれいな草花が生えているところ、木の枝がたくさん落ちているところ、樹液が出て虫が集まっている木、水遊びができる沢などなど・・・。

多様な環境の中では、子供たちが自分の興味を持ちやすいものを探せます。興味を持って活動することを繰り返すことで自立が促され、主体性が身に付きます。

 

チャレンジ精神が育つ

木登りをする、細い丸太の橋を渡る、急な斜面を登ってみる、といった遊びの中で小さな成功体験を積み、「がんばればできた!」という達成感を感じることで、チャレンジ精神が育ちます。

 

そうぞう(想像・創造)力が育つ

地面に転がる木の枝も子供たちにとっては、ある時は勇者の剣、ある時は魔法つかいのほうき、ある時はかけっこのスタートライン…と様々な遊びの道具になります。また、大きさや形がばらばらの自然物を使った工作で、子供たちの創意工夫をする力が磨かれます。

 

私たちのくらしが自然に支えられていることを知る

野菜の収穫体験や稲刈りといった農的くらしを体験したり、山から湧き出すおいしい水などを飲んだりすることで、私たちが自然からいろいろな恵みをもらって暮らしていることを知ります。

 

お互いに助け合うことを学ぶ

遊びの中で子どもたちは様々な問題にぶつかります。たき火をするためにたくさんまきを集めなければいけない、目的地にたどり着くためには崖を上らないといけない、ひみつ基地をつくりたいけれど一人ではできない…。そのとき、みんなで協力するという姿勢が自然と生まれ、協働体験を繰り返すことで社会性を身に付けます。

 

なぜ見守ることが大事なのか

多くの森のようちえんに共通する教育観として「子どもも大人と同じように、自ら学び、育つ力を持っている」というものがあるように思います。

森のようちえんでは、大人はものを教える存在ではなく、子どもたちが学び成長することを支える存在です。

 

あれはダメこれはダメとむやみに口出しせずに見守る、子供たちを信じて待つ、という大人の関わり方は、子どもたちに安心感を与え、自分らしさを発揮することにつながります。

 

森のようちえんで育った子は、大人が話をする時は大事なことを話す時だから、学校の先生の話をよく聞ける子供に育つということも言われたりします。

 

ただし、森のようちえんの保育者はただ見ているだけではなく、時には子どもたちが動きやすいように働きかけたり、子どもの個性や発達状況に合わせて声を掛けたりすることも必要です。

 この辺の兼ね合いはなかなか難しいところで、おさんぽ会でも試行錯誤しながらやっています。

 

10〜20年後には、日本の労働人口の49%がついている職業について、人工知能やロボット等で代替可能になるとの試算もあります。

日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に | 野村総合研究所(NRI)

 

だからこそ、自分自身で考え行動できることが今後ますます求められ、こうした能力を育む教育が必要になってくると考えています。

 

やりたいこと65%、求められること35%くらい

こういった社会的な背景と自分たちの活動をリンクさせて考えたときに、まだまだ伝えていきたいことがたくさんあります。

 

でも、そこまで求められていないかもしれないし、見守るとかじゃなくて、もっと別の周到に準備された野外活動を求められているのかもしれません。

 

じゃあ、求められていることだけをやるのかというと、われわれの見解はノーです。

もちろん求められていることに応えていきたいという想いはありますが、自分たちの信念からはずれたことばかりにリソースをさき続けることはモチベーション的にも難しい。

そして何より、自分の頭で考えて本当に必要なことを信念をもってやり続けることが一番大事だと考えています。

 

じゃあ具体的にどうするの?と考えたときには、求められていることも外さないように、少し視野を広げてこんなふうになったらいいよね!、こっちもいいよね!という世界を具体的に示していくことかなあと考えています。

きっとその積み重ねをコツコツコツコツしていくことが大切なんじゃないかと。

 

なので、引き続き頑張ります〜!

 

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