かとう家の小ばなし

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【読書めも】インターネット・SNSとのつきあい方について考えたこと/旅と日常へつなげる

 

旅と日常へつなげる ~インターネットで、もう疲れない。~
ブックビヨンド (2016-03-25)
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どうも、ヨメです。

いつも楽しく読んでいるブログ、隠居系男子で良く紹介されていて、気になっていたアート系ブロガーのチェコ好きさん。

チェコ好きの日記

 

ブログ自体をそこまで読みこめてはいなかったのですが、最近出版された電子書籍のタイトルと表紙にとても興味を惹かれ、早速購入して読んでみました!

 

この本は、「インターネットが嫌い」なアナログ人間であるチェコ好きさんが考えた、ネットとの付き合い方、主にSNSとのつきあい方が書かれているのが特徴です。

 

SNSを通じて人と簡単につながれるようになってきた一方で、情報が溢れかえり、消費されまくっているような様子に、自分にとってしっくりくる向き合い方をちゃんと考えた方がいいなあと、漠然と考えていました。

そんな中開いた本だったのですが、いくつか大きな気づきをもらったので、書きとめておきたいと思います。

 

インターネット・SNSで人の輪は広がらない

一見、「ん?そうなの?」と思ってしまいそうですが、そもそもインターネットは自分が既に知っている言葉でなければ検索機能を使えません。

単語を知らないと、またそもそもの発端となる欲望がないと、いくらネット上に情報が溢れていようとその結果にはたどりつけないのです。

SNSについても、「まず自分の見識や欲望に起点がある」という点では検索機能と変わりません。知り合いかも?やおすすめのユーザーで紹介されるアカウントも多くの場合、すでに知っている人か、知り合いの知り合いなケースが大半。

偶然の出会いをもたらしてくれるツールではない、ということは意識する必要があるなあと思いました。

 

自分の欲望を見つめてみよう

まわりの友人が遅くまで仕事を頑張っていたら、自分も遅くまで働かないと申し訳ない気分になったり、みんなが見ている映画があったら、自分も見ないと損をするような気分になったことはないでしょうか?

「人は人」と考えている自分でも、思い返せば少なからずそんなことがありました。

SNSやインターネットへの過剰接続が心に疲労をもたらす原因は、おそらく「欲望が似通ってきてしまうから」

みんなが欲しいものは私も欲しい。みんながいらないものは私もいらない。そうやって、まるで互いを鏡に映し出すように、私たちは他人の欲望を自分の中に反映し、また自分の欲望を他人の心へ反映させるのです。

 

他人によく見せるため、目の前の現実を「編集」してしまうのではなく、ありのままに受け入れること。そして、他人の欲望ではなく、自分の内側から出てきた新しい欲望と向き合い、大切に育てることが重要だとチェコ好きさんは説いています。

 

チェコさんのように旅行に出かけることは難しくても、SNSアプリをしばしお休みし、だれに見せるでもない自分の好奇心を探しに行く。そして、その好奇心を、タイムラインから流れてくる情報にかき消されないように、大切にもっておく。

 

そういうことを意識していないと、気づかないうちに情報の波に飲み込まれてしまうことがある、今はそんな時代に生きているんだなあと改めて思いました。

 

みんなと違うことが大事

あなた自身が集団の異分子であることが大切なのです。なぜなら、そうしないとあなたのまわりの人に、新たなことを知る機会を提供することはできないからです。

この部分が一番腑に落ちた部分でした!

ネット・SNS上には、みんなに受けそうな(いわゆるバズりそうな)記事や話題の○○で溢れています。それが本の中でも語られていた、インターネットが多様性を失くっていく1つの例だと思うのですが、その状況に対してまさに自分自身がSNSなどのツールとどのように向き合っていくべきか?をもやもや考えながら、タイムラインなどを見ている状況だったのです。

 

自分だけが注目しているそれを発信すること、一切接続しないのでもなく、接続と断絶を繰り返し、その差のなかで生まれてきた「他とちがうこと」を発信すること。

 

そのことを私が考えた唯一の「SNSとの上手な付き合い方」として、潔く綴られた文章がとても心に響きました。

 

インターネット・SNSはあくまでもツール。それ以上でも、それ以下でもない。

そのツールとの向き合い方を再考させてくれる、とてもおもしろい本でした!

 

インターネットのことを、インターネットの言葉、「PV」や「プラットホーム」などのカタカナを使わずに語ることがやってみたかったチェコさんによる電子書籍

いくつかの書籍を引き合いに出して語られる現状分析もおもしろかったので、紹介されていた本も手にとってみたいと思います。

(きっとそうやって世界が広がっていくんだろう・・・。)