「ちょうどいい」が難しいけど、実現できる時代に生きている
ヨメです。最近、twitterで見かけて気になっていた次の本を読みました。
内容をざっくりまとめると、リーマンショックや震災をきっかけに変化したと言われる多くの人の意識に注目し、その「変化」を分析することで、この流れの先にあるものを明らかにしていこうという本です。
特に、食や暮らしの様々な動きについてくわしく紹介されているのですが、私の中で内容を咀嚼するには、まだまだ時間がかかりそう・・・。
なので、今日は本の中で一番印象に残っていることを掘り下げて書いてみようと思います。
ちょうどいい「食」について
本の中では、人気ライターとして働きながら2児を育てている紫原明子さんのお話が印象的でした。
シングルマザーとして、働きながら小学生と中学生のお子さんを育てている紫原さんは毎日栄養のある食事を用意するのに、苦労されています。
原稿の締め切りが迫ってくると、料理をする時間がとれない・・・。
デパ地下のお惣菜は高いし、味が濃くて決して健康的ではないし、できればあまり利用はしたくない。コンビニやスーパーのお弁当ならもっと安く購入できるけれど、それを子どもに食べさせることは、やはり「罪悪感」がすごいのですよ
明子さんは、「子どもだけで食べに行ける安心な食堂があるといいのにな」と思っています。
振り返って見ると、美味しいご飯とかんたんなお惣菜が食べられる大衆食堂が以前はどこの街にもありましたが、そうした店はすっかり姿を消してしまいました。
ご飯と味噌汁、そして安心して食べられる素朴で美味しい料理たち。
明子さんが求めているのは、そういうシンプルな食であって、決して高級な食事ではありません。
モノやサービスが溢れて豊かな時代になったと言われていますが、生活状況に合わせて自分たちの「ちょうどいい」を探すのはそんなに簡単なことではないんだなあと思いました。
自分の現状と照らし合わせて考えてみても・・・。
「ちょうどいい」を探すことが目的になる
この話題の「ちょうどいい」について、最近シンポジウムで聞いたお話がすごく腑に落ちました。
移住者先進地としても知られる徳島県神山町で、中心的な役割を果たされている大南さんのお話です。
神山町で、3年前にオープンしたフランスカフェ料理の店「カフェオニヴァ」。
お店が軌道にのってきたときのこと。これまでの飲食店の考えなら、休みを減らして収入を増やそう!ということになりがちなのですが、スタッフ全員一致で休みをもう1日増やしたそうです。
その増やした1日は、個人がそれぞれやりたいと思っていたプロジェクトにあてることにしました。その結果、そのプロジェクトから新しいビジネスの種が生まれそうな、状況になっているそうです。
この一連の流れは、自分たちの「ちょうどいい」を考えたときに、どうあるべきか?が考え抜かれた結果ではないでしょうか。お金を稼ぐことももちろん大切だけど、それが満たされてきているのなら、どうあることが持続可能なのかということがブレない軸としてあるように思います。
移住も「ちょうどいい」をつくる手段
こうした動きを見ていると、昨今注目を集めている移住も、自分たちの「ちょうどいい」をつくる1つの手段じゃないかなぁと感じます。実際に移住した私たちにとっても、理由の1つです。
地方で月々決まったお給料をもらえる仕事は限られているけれど、まだまだ足りないと思える仕事はたくさんあります。
住に関しても空き家が多く、安く借りて、自分の好きなようにDIYでカスタマイズしていくことも、そこまで難易度が高いことではありません。
食についても、新鮮で豊富な食材がたくさんあり、リーズナブルな値段で手に入るのであまりお金をかけずにおいしいものを食べることができます。
つまり、都市よりも自分の「ちょうどいい」をつくることのできる、余白とか素材がたくさんあるんです。そしてコストも圧倒的に低い。
自分たちの「ちょうどいい」を探しているけど、都市ではなかなか難しい。
でもここなら、自分たちの「ちょうどいい」を実現できそうだ!そんな可能性を感じられる場所が今後も移住先として選ばれていくのかもしれません。
さいごに
個人的に、今いちばん「ちょうどいい」がなんとかならんもんかと考えているのは、「働き方」。
特に女性に関して育休中と育休後は、そのギャップがすごい・・・。
「ちょうどいい」を模索するには、お金や働き方、暮らしについてじっくり向き合っていく必要がありますが、自分たちの「ちょうどいい」を実現・維持できるように、がんばりたいと思います~!